三峯神社でお犬様をお迎え!御眷属拝借とは?実際に体験してみた話

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三峯神社で体験できる神秘の儀式【御眷属拝借】とは?

三峯神社の【おいぬ様信仰・御眷属拝借】とは?
ヤマトタケルが神を祀った宮
この国が永遠に平和であるようにと

★神様のお使い「お犬様」を一年間お迎えする
不思議なご祈祷★

神社好きなら一度は訪れたい、埼玉県秩父市の霊峰に鎮座する【三峯神社】。
その魅力のひとつが、全国的にも珍しいご祈祷「御眷属拝借(ごけんぞくはいしゃく)」です。

でも──

「御眷属拝借って何をするの?」
「ご祈祷を受けるとどうなるの?」
「神様のお使いを“借りる”って、どういうこと?」

そう思われる方も多いのではないでしょうか。

この儀式を受けると、目には見えない“お犬様”があなたの元へとやって来て、1年間、一緒に過ごしてくれると言われています。
まるで、神様のお使いと共に暮らす不思議な時間。

…とはいえ、中には
「それって憑いてくる系のやつじゃ?」とか、
「狐憑きみたいなものなの?」と誤解されることもあります。

でもご安心を。

三峯神社の御眷属は、そうした動物霊とは全く別の存在。
神様のそばに仕える“神使(しんし)”であり、信仰の対象でもある尊い存在です。

かつて修験道や山岳信仰の拠点であった三峯神社には、今も神秘的な風潮が色濃く残されています。
そして、その“何かに惹かれるような感覚”に導かれて、多くの人がこの地を訪れるのです。

「御眷属拝借」とは?

**三峯神社で体験できる特別なご祈祷と“お犬様”信仰**

おじ
おじ

御眷属拝借とは、三峯神社の御眷属「おいぬ様の御札」を一年間自宅にお祀りし、信仰することです。

三峯神社では、神様のお使いである「おいぬ様」(日本オオカミ・山犬)を一年間自宅にお迎えできる特別なご祈祷【御眷属拝借(ごけんぞくはいしゃく)】が行われています。

おいぬ様は古くから、山の樹木や畑を荒らすクマ・イノシシ・シカ・ウサギなどの害獣を追い払う守護獣として信仰されてきました🌲
また、火防(ひぶせ)や盗難除けにもご利益があるとされ、山村では非常に大切にされてきた存在です。


ミオ
ミオ

このブログでは、以下のことを分かりやすくお伝えします

🌷御眷属拝借とはどういうものか?

🌷その由来や歴史

🌷実際にどのような流れで行われるのか

🌷初穂料はいくら?

🌷自宅でのお祀り方法は?

🌷本当に何か“感じる”ことがあるの?

三峯神社 基本情報・アクセス

神社名三峯神社
所在地埼玉県秩父市三峰298-1
御祭神伊弉諾尊 伊弉冉尊(イザナギノミコト イザナミノミコト)
御眷属お犬様(オオカミ)
アクセス・車関越自動車・花園IC~2時間
中央自動車道・甲府昭和IC~2時間半
アクセス・電車西部鉄道 例・池袋(特急)=西部秩父駅1時間20分~下記バス
アクセス・バス西部観光バス(株) 例・西部秩父駅~三峯神社950円 75分

御眷属拝借の方法

御眷属拝借の方法
❶社務所にて「御眷属拝借」の祈禱の申し込み
・初穂料五千円+眷属箱料弐千円

❷拝殿にて御祈禱
・申込者のみ入殿

❸お札を自宅の神棚又は高い位置に設置

❹榊・米・酒・塩・水をお供えする
・季節の初物・珍しい物・お祝い物・戴き物などはまずはお供えする
・お米や豆が好物なので毎月十日・十九日にはお赤飯が喜ばれるとのこと

❺御眷属札の他に・諸難除・火防・盗賊除の三種のお札を玄関に貼る

❻おおよそ一年後に全てのお札を三峯神社に納め、新しいお札と「お引き換え」をする

ご利益:❶諸難除け ❷火防 ❸盗賊除け ❹ペット安全 ❺開運

実は私たちの家では、御眷属拝借でいただいた「盗賊除けのお札」を玄関の内側に貼っています。

ある日、近所で空き巣被害が立て続けに起きたことがありました。
それなのに、我が家には何事も起きなかったのです。

もちろん偶然かもしれません。
でも、私たちは「おいぬ様が守ってくれているんだ」と感じずにはいられませんでした。

🐺🐾

三峰神社の御眷属信仰ができた経緯

🐾 三峯神社の起源と御眷属信仰

三峯神社は、妙法ヶ岳・白岩山・雲取山の三山を望む、秩父の山頂に鎮座しています。
その美しい光景に感動した、日本武尊(やまとたけるのみこと)が、崇敬する伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)・伊邪那美尊(いざなみのみこと)の二柱を、仮宮にお祀りしたことがはじまりとされています。

また、日本武尊が山中で道に迷った際、一匹の山犬(日本オオカミ)が現れ、道案内をするように導いてくれたという伝承があります。

このことから、三峯神社では山犬を「おいぬ様(御眷属)」として崇め、
災いを祓い、家を守護してくださる存在として信仰されてきました。

【日本武尊と白いオオカミの物語】

🌿Yamato Takeru and the White Wolf 🌲🌲

山奥を進んでいた日本武尊は、道中で食事をしていました。
すると、山の神が白い鹿に姿を変えて現れ、尊の前に立ちはだかります。

この山の神は、山に入る者を迷わせる悪しき存在だったのです。

不審に思った日本武尊は、持っていた「にんにく」を鹿に向けて投げつけると、それが鹿の目に当たり、鹿は命を落とします。

その後、日本武尊は山中で迷ってしまい、進めども出口の見えない遭難の危機に…。

そこへ突然、一匹の白いオオカミが現れます。
オオカミは振り返りながら先導するように歩き、日本武尊はその姿にただならぬ力を感じ、後をついていきました。

やがて無事に山を抜けることができた尊は、その導きに深く感謝し、白いオオカミを「御眷属(神の使い)」としてお祀りするようになったと伝えられています。

やがて日本武尊は、最愛の美夜受媛との結婚を目前にしながら、伊吹山の麓で静かにその生涯を閉じることとなります。
幸福の扉に手をかけたその瞬間、運命は残酷にも彼を連れ去ってしまったのです──。
彼の魂は、白い鳥――白鳥となって、静かに空へと舞い上がっていったと伝えられています。
その姿は、永遠に叶わぬ約束を空に託した、ひとつの祈りのようでした──。


🔍 三峯神社のはじまり🌲
日本武尊の亡き後、景行天皇が東国巡りをされた際、三峰山に登られ「三山高く美しく連なる」ことから「三峯の宮」という称号がついたそうです。

✨🐣★☆ここから時代はタイムトリップ☆★🐣✨

―三峯神社と「おいぬ様信仰」のはじまり―

時は平安時代。
都が平安京に遷り、貴族たちは源氏物語に描かれるような雅な暮らしを送り、庶民は質素な堅穴式住居で慎ましく生きていた頃――。

仏教が広まり、山岳信仰や陰陽道が生まれ、日本独自の霊的世界観が花開いた時代でもありました。

その後、歴史の波に揺れながらも1533年、ここ三峯山には**天台修験の関東総本山「観音院高雲寺」**という寺院が建てられました。

そして江戸時代。
ある日、修験者である日光法印が、境内に集まる異様なほど多くのオオカミの姿を目にします。

これはただ事ではない…。

日光法印はこの光景を「✨神の啓示(ご神託)✨」と受け取り山犬(オオカミ)を神の使い“おいぬ様”として崇める信仰を広めるため、オオカミの姿を描いたお札を作り、人々に配りはじめたのです。

このお札は「災厄除け・盗賊除け・火難除け」として霊験あらたかと評判になり、信者は急増。

1720年頃には【おいぬ様信仰】が関東を中心に広がり、やがて三峯山の名は全国へ。

明治時代の神仏分離令により、寺院は廃され、現在の「三峯神社」となったのです。

ちょっとだけ日本武尊のお話

日本武尊像

三峯神社の境内には、堂々とした日本武尊(やまとたけるのみこと)の銅像が建っています。
その迫力から「ここの御祭神はヤマトタケル?」と思ってしまいがちですが、実は違います。

💗 三峯神社の主祭神は、国生みの神・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)のおふた柱。
天地を創造した、まさに日本の始まりの神様です。

では、ヤマトタケルは…?

彼は三峯神社の起源に深く関わる存在として登場します。
迷った時にオオカミに導かれたという伝説から、御眷属(おいぬ様)信仰のルーツの一部にもなっています。

ヤマトタケルをもっと知りたい方へ

 名前は「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が有名ですが、
実はこれは後に与えられた名で、もともとは 小碓命(おうすのみこと) という名前でした。

彼は双子で、兄は 大碓命(おおうすのみこと)
その勇猛な性格から、数々の地を平定し、「倭(やまと)を建てた男」として称えられるようになったのです。

ちなみに、ヤマトタケルを御祭神として祀っている神社で最も有名なのは田神宮で

ここには、彼が使ったとされる**三種の神器のひとつ「草薙の剣」**が祀られています。


 ヤマトタケルの子孫には、こんな人物も!

ヤマトタケルと垂仁天皇の娘・**両道入姫命(ふたじいりひめのみこと)**との間に生まれたのが

★第14代 仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)
  さらにその御子が…
★第15代 応神天皇(誉田別命)=八幡神社の神様!

そう、日本中に祀られている八幡さまの祖先がヤマトタケルなのです
    なんだか日本史がつながってきましたね★

三ツ鳥居の通り方と、神話のオオカミの話

三峯神社入口付近

**―境内の風景と、お犬様の存在感ー**

オオカミには、自分の縄張りに入ってきた者をじっと観察する習性があるのだとか。
**神話と伝説、そして現実が混ざり合う空間──🌷
そんな不思議な世界観を味わえる日が来るのを、私はずっと楽しみにしていました。

白い三ツ鳥居と、くぐり方

三峯神社鳥居

こちらが有名な「白い三ツ鳥居」(または三輪鳥居)。
この鳥居は、世界のはじまりに現れたとされる造化三神を表しているといわれます。

🔍造化三神

🌲天之御中主神(アメノミナカヌシ):宇宙の中心の神✨

🌲高御産巣日神(タカミムスヒノカミ):天津神を導く神✨

🌲神産巣日神(カミムスヒノカミ):国津神を導く神✨

そんな三ツ鳥居には、くぐり方があります。

実はこの作法、最近よく見かける「茅の輪くぐり」と同じなのです。

**三ツ鳥居のくぐり方(茅の輪スタイル)**

🌷中央で一礼 → 中央の鳥居をくぐる

🌷左側の鳥居へ戻り → 中央で一礼 → 再び中央の鳥居をくぐる

🌷右側の鳥居へ戻り → 中央で一礼 → 再び中央をくぐる

🌷最後に左側に戻って → 一礼 → 終

左の鳥居はこれまでの厄落とし右は光り輝く未来への願い

(引用:✨光のエバンジェリスト Krehaさん「夏越しの祓」✨より)

けれど、実際はこの作法を知らない人も多く、ほとんどの方が普通に中央からまっすぐくぐっていました。
…かくいう私も、神社好きになるまでは知りませんでした。

三峯神社参道

✨そして、ついに…!✨

三峯神社楼門

三峯神社に到着しました♡

三峯神社の境内は、空まで届きそうなほどの高い木々に囲まれていて、随身門も、お犬様の像もとても立派です!(ビッグサイズ!)

今日は【御眷属拝借】の御祈祷を受けるために訪れました。
たっぷりと境内を散策したあとは、社殿にて参拝と御祈祷を行います。

ご利益ポイント:🌲拝殿左側の御神木🌲

御眷属拝借を受ける流れ

社務所で申込をすませたら、隣接するホテル「興雲閣」のロビーで待機。

名前を呼ばれた方から順に、ホテルから社殿へと続く廊下を、ちょっと緊張した様子で進んでいきます。
…みんな、やっぱりドキドキしているみたい。

今回、御祈祷を受けるのは夫。
私は社殿の前からそっと様子を見守ります。

拝殿前の石畳に現れた龍神様

こちらが有名な「龍神様✨✨」!
平成24年(辰年)に出現した石畳の龍神様で、当時テレビのニュースでも取り上げられていました。

実物を見ることができて、感動…!

太鼓の音と、おいぬ様の気配

社殿から聞こえてきたのは、ドンドンドンドンドン…という、テンポの速い太鼓の音。

この音に呼ばれて、おいぬ様たちが人間のそばに集まってくる…という話を聞いたことがあります。

気に入った人についてきてくれるのか、
あるいはその御力だけを御札に託してくれるのか──

その詳細は、いただいた説明書にも明記されていません。

御祈祷の時間は15分ほどで、終了後には「御眷属箱」という木箱に入った御札を授かります。

★御祈祷を受けた感想★

夫の感想:
社殿の中は明るく、20名ほどの方と一緒に御祈祷を受けました。
神主さんが二人で祝詞を唱え合うような形式で、特に何かを感じたわけではなかったようです。

私の感想:
外からそっと様子を見ていました。
中の様子はある程度見えますが、他の参拝者もいらっしゃるのであくまで自然に。
早い太鼓と言葉の響きで独特な祝詞だなぁ✨…と思いながら耳を傾けていました。(大祓詞)

ご利益ポイント:【奥宮遥拝殿】🌲
この場所は【奥宮遥拝殿】と呼ばれており、ここから奥宮が鎮座する山の頂を遥拝できます。

いつかは行ってみたい「奥宮」へ

奥宮へは、険しい山道を片道90分(体力のある方)ほど歩く必要があるそうで、私も「いつかは行きたい…!」と思いながら、現在は体力づくりの真っ最中です。(永遠に)🐾
遭難の危険もある道なので、万全の準備が必要ですね。

一方、拝殿から徒歩10分ほどの森の中にひっそりと鎮座する【遠宮(とおみや)】には、お犬様が祀られています。

お犬様は霊力が高く、その力で害獣を追い払うとされ、家を守る守護神でもあります✨

遠くを見ています。

お犬様の石像はつるんとして小柄で、元気いっぱいな若々しいオオカミさんです。

このお宮は「御仮屋(おかりや)」と呼ばれ、
お犬様――御眷属(ごけんぞく)専用のお社です。

けれど、お犬様たちは普段、深い山の中にいらっしゃるため、このお社にお姿があるかどうかは、誰にもわかりません。

もしかしたら今も、どんな人間が訪れているのか、
木々の陰からそっと見つめておられるのかもしれませんね🌲

お迎えの準備にかけた、2ヶ月

我が家ではこのお犬様をお迎えするにあたり、実に2か月もの時間をかけて“断捨離”をしました。

仕事の合間に取り組んだのは、20年間たまりにたまった不用品の整理。
それは単なる片付けというよりも、過去の出来事に向き合い、心の中まで整えていく作でもありました。

間違えたこと、傷ついたこと、手放したくない思い出——
そうしたすべてを受け入れて、そして前へ進むための大切な時間だったのです。


心を新たに、お犬様をお迎えして

小さな神棚はもともとありましたが、「今年は人生の節目」と感じていた私たちは、年末に神棚も新調しました。
心新たに、お犬様を迎え、また新しい一歩を踏み出したのです。

お犬様は、諸難を除け、道をひらく開運の神。

山中でオオカミに神意を感じたヤマトタケル。
境内に集うオオカミたちを、ご神託と信じた日光法印。

…直感✨に導かれた人々の姿は、時代が変わっても、今を生きる私たちの中にも息づいている気がします。🌷


最後に──

いざという時、道に迷った時、心に迷いがある時…

お犬様は、きっと良い方向へ導いてくださる存在なのだと思います✨

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

三峯神社の【御眷属拝借】について、
「へぇ〜面白い話!」「なんだか興味が湧いてきた!」


…そう思っていただけたなら、とっても嬉しいです♡